』と なむ人々 申す。 中納言参り給ひて ・ (古文記事一覧)>ひと目でわかる 中納言参り給ひて、御扇奉らせ給ふに、 中納言が参上なさって、御扇を差し上げなさる時に、 「隆家こそいみじき骨は得て侍れ。
15これは偉くない人同士の会話。
動作の主体である隆家を敬っている。
」とて、 笑ひたまふ 【注13】。
本来の結びは「べけれ」の部分であるが、接続助詞「ど」が来ているため、結びの部分が消滅してしまっている。
「(この)隆家はすばらしい(扇の)骨を手に入れております。
なので、練習に「枕草子」はもってこいです。
なほかかる事こそ、めでたけれ。 このようなことは、(公言すべきでない話で、またいかにも自慢話のようなので)きまりが悪いことの中に加えてしまうべきことだけれど かやうのことこそは、かたはらいたきことのうちに入れつべけれど、 (みなさんが)「ひと言も書きもらすな」とおっしゃるので、どうにも仕方がない。 (大納言)「こんなことに夢中になってしまう」と言って笑われているが、どうして、やはりこれを素晴らしいと思わずにいられるだろうか。
11『 さらにまだ見 ぬ骨のさま なり。 動作の対象(参られる人)である中宮定子を敬っている たまふ=補助動詞ハ行四段、尊敬語。
ただし、隆家も貴族なので、清少納言は彼にも尊敬語をつけています。
かやうの事こそは、かたはらいたきことのうちに入れつべけれど、「一つなおとしそ」といヘば、いかがはせん。
意味は「参りなさる」。 骨 ここでは扇の骨のこと。
それを張らせて差し上げようと思うのですが、 おぼろげの紙は え張る まじけれ ば、求め はべる なり。
動作の対象(扇を差し上げられる人)である中宮定子を敬っている せ=使役の助動詞「す」の未然形、接続は未然形。
隆家の会話には、丁寧語がつかわれており、定子に対する敬意を表しています。 こういうのは古文常識の一環で、入試だとこのぐらいは知っていて当たり前になってしまいます。
13動作の対象(問われた人)である隆家を敬っている させ=尊敬の助動詞「さす」の連用形、接続は未然形。 9 あらで ラ変動詞「あり」の未然形+打消の接続助詞「で」。
かたはらいたし(傍ら痛し)=形容詞ク活用、はたで見ていて苦々しい、見苦しい、聞き苦しい、気の毒だ 入る=ラ行下二、中に入れる、加える。
先程とは異なり直後に尊敬語が来ていないため「使役」の意味だと断定してかまわない。
「いかやうにかある」と問ひ聞えさせ給ヘば、「すベていみじう侍り。
意味は「聞き苦しい・恥ずかしい」。
文脈判断でもよい。